銀行融資を引き出すためにはコツがある おさえておきたい3つのポイント
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銀行融資を引き出すにはコツがある おさえておきたい3つのポイント
企業を経営する方が自社の資金調達をしようとしたとき、まず考えるのが銀行融資です。
しかし、いざ銀行融資を利用しようと思っても、断られる可能性があります。
企業自体の規模や信頼度によって受けられる融資の方法は異なります。また、突然窓口を訪れても、銀行側に不信感を与えてしまいます。
銀行に不信感を与えず、円滑に融資を利用するにはいくつかのコツがあるのです。
今回は、
- 新規融資を引き出すためのコツ
- 融資額の決め方のコツ
- 信用保証協会を使うときのコツ
についてまとめます。
新規融資を引き出すためのコツ
新規融資を申し込むときに意識しておくべきなのが、銀行はお金を借りたいと言ってくる企業を疑うという点です。
資金繰りで苦労している企業に融資を行うことは、銀行にとって高いリスクを伴います。そのため、急に窓口に現れて「お金を貸してほしい」という企業に対しては慎重な姿勢をとります。
よって、もし直接銀行の窓口へ行って「新規融資を申し込みたい」と伝えても、うまくいく可能性は低いです。
それだけ切羽詰まった状況なのではないか、融資は高リスクなのではないか、と判断されかねません。銀行への突然の来店は控えましょう。
では、どうすれば新規融資を円滑に進められるかというと、他者の信用度を借りるという手段があります。
銀行にとって、新規融資を申し込む企業の信用度は低いです。しかし、取引企業からの紹介があれば話は変わります。
すでに取引があり、信用できる企業からの紹介があれば、銀行は新規取引先であっても安心して融資できます。
知り合いに、融資をうけたい銀行と取引のある企業があれば、紹介をお願いするとよいでしょう。
そうすることで、現在低い状態である自社の信用を、他社の紹介で補えます。
信用度が高まれば、融資手続きが円滑に進みやすくなります。
適した知り合いがいない場合は、法律事務所や会計事務所、商工会議所などからの紹介も効果的です。
これらの事務所は、金融機関と密接な関係があります。相談することで、ご自身の会社の状況に合わせた、銀行の紹介が可能です。
弊事務所でも、企業の資金調達に関するご相談をお受けすることが可能です。
ここまでの説明で重要なのは、新規融資の場合、企業主体でやり取りをするのは難しいという点です。銀行からの信用度が低い状態では、断られる可能性がとても高いです。
より確実に新規融資をうけるためには、
- 他企業の社長に紹介してもらう
- 法律事務所や会計事務所・商工会議所に紹介してもらう
といった方法を使い、自社の信用度を高めることが大切です。
融資額の決め方のコツ
では、新規融資の場合、どれくらいの金額であれば借りられるのでしょうか。
初めて利用する銀行からの融資の場合、金額によっては断られる可能性があります。
銀行に断られないためには、三つのポイントを重視して額を決める必要があります。
- 年商の2分の1程度の額
- 銀行の大きさ
- 最大融資残高
特に「最大融資残高」を意識しておくとよいでしょう。
というのも、最大融資残高は正しく伝えないと、銀行に不信感を与えてしまうからです。
一般的な感覚では、融資残高が減少していると「借り入れ額が減っているから会社が順調な証拠だ」と思われるかもしれません。
しかし、銀行の立場からすると、「融資残高が減っているということは、何か問題があって他行が回収を進めているのではないか。」と判断することがあります。
特に、メインバンクの融資残高は新規取引銀行が詳しくチェックする項目です。最も取引が多く、経営状況を把握している銀行からの融資額が減っているなら、「表からは見えない問題があるのでは。」と判断されかねません。
最大融資残高が減っている場合は、その理由をきちんと伝えることで銀行からの警戒をやわらげられます。
「当分の業績には問題ないことを証明する事業計画書」や「意図的に融資残高を減らしている理由」などを説明するとよいでしょう。
逆に、最大融資残高が増加していても、気にしすぎる必要はありません。
基本的に、「銀行が貸しすぎる」ということはないからです。必要な資金であり、後々回収できると判断した場合にしか貸しません。
新規取引銀行もそれを知っているので、融資残高が多いからと言って経営状態が悪いとは判断しないでしょう。
それに、融資残高が高いということは、それだけ返済力がある企業だという証明にもなります。
新規融資を受けたいときは、以上のポイントを基準にして融資額を決めておき、銀行に相談しましょう。ポイントさえおさえておけば、初めて取引をする銀行であっても否決されにくくなります。
※この3つのポイントをおさえていたとしても、新規取引の場合は否決される可能性もあります。申し込み額はできるだけ少なくするとよいでしょう。
信用保証協会を使うときのコツ
経営者の方の中には、信用保証協会を使った資金繰りを検討している方もいるかとおもいます。
信用保証協会とは、中小企業者や小規模事業者、新しく企業を設立する方の公的な保証人となり、資金の借り入れを支援するものです。
利用することで、
- 長期の運転資金や無担保融資などを、有利な条件で借り入れできる
- 金融機関との取引が浅い企業でも、容易に借り入れが可能となる
- 不動産担保を有効に活用できる
などのメリットがあります。
一方で、注意しておくべき点もあります。
保証協会は都道府県にひとつしかないため、各金融機関に情報が共有されやすいのです。
例えば、仮に保証協会からの保証がNGとなったあと、最初に融資を申し込んだA銀行が見送りをしたとします。
次にB銀行に融資を申し込んだとしても、B銀行はA銀行が見送ったことを知っているため、断る可能性が高くなります。
続いて訪れたC銀行も、A銀行とB銀行が融資を見送ったと知っているため、断ります。
このように、一つの銀行の審査結果が、他行の審査に大きな影響を与える可能性があります。
芋づる式に断られてしまわないよう、最も積極的な銀行で融資を決めるのがポイントです。
信用保証協会に関する今後の融資トレンド
信用保証協会を利用しての融資に関しては、トレンドが変わりつつあります。
一言でまとめると、中小企業が借りにくい時代になってきているのです。
現在、企業が利用する融資は、民間銀行や信用保証協会のセーフティネットなど実質無利子のものが中心となっています。
セーフティネットとは、経営の安定に支障をきたしている中小企業が市町村の認定を受けることで、一般保証とは別に利用できる保証制度です。
このセーフティネットは、利用する経営者からすれば無利子の融資ですが、金融機関にとっては利息収入のあるものとなっています。
金融機関に入る利息収入分は、国が国債を大量発行しすることでまかなっているからです。
つまり、銀行から見ると、セーフティネット・実質無利子融資は、万が一対象の企業の業績が悪化しても信用保証協会の保証がある上に、十分な利息収入が得られるおいしい融資なのです。
このセーフティネットが融資のトレンドになるということは、銀行にとってプロパー融資の優先度は落ちてしまいます。
(プロパー融資とは、保証協会などの保証がなく、100%自分の責任で実行する融資のことを指します。)
今後は、プロパー融資の件数は減少、あるいは条件が悪化することが予想されます。
そのため、今後は中小企業が融資を受けるのが難しくなる時代がやってくるのです。
法律事務所への相談
「新規融資を引き出すためのコツ」の項目でも申し上げた通り、中小企業の資金調達で悩んでいる場合は、法律事務所へ相談することも一つの方法です。
多くの法律事務所は、金融機関と密接な関係があります。資金調達に関するご相談をいただければ、金融機関へ紹介をすることも可能です。
弊事務所でも、会社再生についてのご相談をお受けしております。
初回の相談料は無料ですので、お一人で悩まずに、お気軽にご連絡ください。
連絡先は、下記バナーにございます。