解決事例

NO.1 破産申立 ⇒ 取引先からの一方的な取引打ち切りにあってしまった事例(内線工事)

 

<事案>

 A社は、折からの不況の影響を受けていましたが、良好な取引先があり、苦しいながらも経営を維持できていました。
そうした中、A社は一番の取引先の大型プロジェクトに参加すべく、会社全体を挙げて準備を進めてきました。その後プロジェクトに参加できる見込みがついたため、A社はそれに対応できるように機械や人員を確保しました。ところが、突如その取引先から、「プロジェクトへ参加はさせられない」旨の通告を受けてしまいました。
 そのためA社は用意した人員や機械への支払に追われ、その上売上が落ち込むことになってしまい、急激に経営を維持することが困難になってしまいました。
 そこでA社は弊事務所にご相談に来られました。

 

 

<解決に至るまで>

 A社の代表者は、経営状況を検討すると、プロジェクトへの参加を突如拒絶してきた会社からの売上が大半を占めていました。そして、その取引先とは今回のプロジェクトだけでなく、今後一切の取引を拒絶されているとの事情がありました。
また自助努力という点においても、A社の資産はすでに資金繰りやコストダウンのために売却されており、自己資金を捻出したり、融資を新たに受けると言うことが極めて困難な状況でした。
そのため、今後継続的に返済資金等を捻出することが困難であると言わざるを得ず、再生手続や更正手続を選択することが出来ませんでした。
また、弁済期が迫っており、社長は個人で多額の負債の連帯保証人となっていたため、事業譲渡など時間を必要とする手段も採用しづらい状況でした。
そうした点をふまえ、今回A社と社長は破産申立をすることになりました。

 破産の申立に際しては、社長が資金繰りにした結果、会社名義の口座に個人名の振込などが多数ありました。社長が、経営難に陥った会社から資金を引き出すことは、生活のためとはいえどもなかなか許されません。その為、社長に丹念にその使途を聞き取り、申立に際して裁判所への説明を丹念に行いました。

その結果、A社も否認権を行使されたりすることなく破産が認められ、社長自身も免責を無事に得ることできました。

今回の事例はA社にとって、晴天の霹靂とも言う状況の変化(一方的な通告)から生じた結果であり、社長にとっても悔しい思いがあるかと思います。弊事務所としても、A社自身には大きな問題がない会社であったため、もう少し前であれば他の手段も執れたのではないかという思いもあります。
ただ、社長自身、その人徳と腕を買われて、現在では新たな仕事に就き、新たな一歩を歩んでいただいております。

 

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